SMARTじゃない目標設定は失敗する?
目標を正しく設定することは、ビジネス、プライベートでの成功に直結します。
中には、目の前の課題をコツコツと解決していくことで、理想的なポジションへとたどり着いたという人もいるでしょう。
しかし、現在の課題の先に理想的な自分がいるかも、そもそも課題が解決できるのかも分からないのではリスクが大きすぎます。
正しく目標を立てることは、過去と現在を見つめ、未来を考えることです。
そのためには、目標設定に必要な5つの要素の頭文字をとったSMARTの考え方を使うのが有効です。
SMARTがどういうものかを具体例とともに見ていきましょう。
目次
SMARTが意味する目標設定に必要な5つの要素
SMARTとは、次の5つの言葉の頭文字をとったものです。
- Specific(具体的に)
- Measurable(測定可能な)
- Achievable(達成可能な)
- Relevant (経営目標に関連して)
- Time-bound(期限がある)
Specific(具体的に)
要素の1つ目はSpecific(具体的に)です。
なぜ具体性が重要かというと、具体性のない目標ほど達成しにくいものはないからです。
「頑張ります!」、「努力します!」という言葉だけでは、他人には客観的に大丈夫なのかが全く伝わりません。
企業の目標においては、上流過程(経営陣)に近づけば抽象的な目標が設定されることもあります。
それらは、あくまでも企業の存在価値(企業メッセージ、コーポレートスローガン)なので必ずしも具体性が必要ではありません。
例えば、「お茶で日本を美しく」は伊藤園の企業メッセージです。
企業メッセージだけではどのような活動するのかは見えてきませんが、企業の考え方を消費者に伝えたり、ブランドや企業のアイデンティティを社内で共有するのには非常に役に立ちます。
具体性が必要なのは、「お茶で日本を美しく」するには何をすれば良いか、という部分です。
もう少し具体的に見ていきましょう。
Specifc(具体的に)の具体例
失敗例:
「お茶の魅力をたくさんの人に知ってもらう」
「お茶の販売額を増加させる」
「新商品の開発を進める」
成功例:
「全国47都道府県でお茶の魅力を伝えるワークショップを開催する」
「お茶Aの販売額を前年度比30%増を目指す」
「新商品開発のためのプロジェクトチームをBを中心に発足し、半年後までにテスト商品を3つ試作する」
失敗例は、どれも言いたいことは分かりますが、「具体的に何をするの?」という部分が欠けています。
成功例が絶対的に正しいというわけではありませんが、具体的なアクションや目標の数値化がされている点で失敗例よりも優れています。
Measurable(測定可能な)
目標やしたいことは、ビジネスでもプライベートでもたくさん出てきます。
その中から目標として設定すべきなのは、測定可能なものに限定しましょう。
仕事がら、WEBサイトに関するデータを見る機会が多いので、WEBサイトの企画や運営を例に成功例、失敗例をあげます。
Measurable(測定可能な)の具体例
失敗例:
人々の生活を豊かにするWEBデザインを目指す
技術的なイノベーションを導入する
社会に貢献するようなWEBサイトを作る
成功例:
クライアントA社のサイトへの問い合わせ数月100件を達成する
記事のアップロード数を月100記事から200記事に増やす
サイトBの月間アクセス数を10万PVを超える
方針として「人々の生活を豊かにする〜」などを持っているのは素晴らしいですが、目標にすべきではありません。
そもそも測定できないのでは、目標を達成したかどうかが判定できないからです。
全ての目標が測定可能なわけではないので、もし正確な測定が難しい場合にはできるだけ目標と相関関係があるような測定可能な要素を用意して、それを指標にしましょう。
Achievable(達成可能な)
これは分かりやすいですが、実現ができないような目標であれば、目標としての意味がありません。
最終的な目標として頭の中に入れておく分には問題ありませんが、過去のデータ、現在の実績、これからの環境の変化などを考慮して現実的なものにしていきましょう。
Achievable(達成可能な)の具体例
達成可能かどうかは、企業や個人によって異なります。
ですが、「1ヶ月後に売り上げを10倍にする」、「純利益1億円突破」など現実味のない目標では上司や部下の共感を得られないですし、ほとんどの場合達成できずにその後の下降修正を余儀なくされます。
期間、額が十分達成できるものかを事前に検討しましょう。
また、自分では現実的と思っていても、データがなければ他者は理解できません。
自分が予算の決定をできる立場にない場合は、十分なデータとスケジュールを示し上司を説得する必要があります。
Relevant (経営目標に関連して)
目標は、企業全体の経営目標に関連していなければなりません。
例えば、企業が倒産の危機にある時、倒産の回避と経営の建て直しが眼前の目標となります。
その状況で、10年後の利益を生み出すための施策は、経営目標に関連しているとは言えません。
未来を見つめたアクションは重要ですが、経営目標と方向性が異なるのであれば目標としては不適格と言えます。
Time-bound(期限がある)
いくら立派な目標を設定しても、いつまでに達成するという期限をつけなければ頓挫する可能性が高くなります。
それは、期限がなければいつまでに、何をするというスケジュールにはならないからです。
期限に間に合うようにスケジュールを組むことは大切ですが、実現できないスケジュールを組む、途中で実現が難しいと感じたのにスケジュールの見直しを行わないのでは意味がありません。
不透明な要素が入り込んでいる時は、不透明な要素の検証を行う期間、スケジュールの見直しを行う時期をあらかじめ予定に入れておきましょう。
SMARTな目標を設定するポイントのまとめ
新年の目標は多くの方が立てますが、一年を振り返って目標を達成できた人の割合はどのくらいでしょうか?
中には、何を目標にしたのかすら覚えてない人もいるはずです。
その理由は、まさにSMARTを欠いているからです。
目標の全てがSMARTを満たしているかを確認する必要はありませんが、今後の人生を左右するような重要な目標であれば時間をかけてSMARTに適合しているかを確認しましょう。