校閲の仕事って何?校正との違いとWEBライターが知っておくべきポイント

校閲という言葉を最近よく聞きますが、どのような仕事なのでしょうか?

これまでは紙媒体での雑誌や小説などで、校閲のスキルが求められることが多かったと思います。

私はWEBメディアの運営に携わっているのですが、WEBについて言えば校閲などのスキルを持った人材が足りていないような印象です。
そもそも、WEB記事では紙媒体では当たり前である校閲の過程が予算の関係で省略、簡略しているのが現状かもしれません。

誰でも意見を発信できるのがWEBの良いところなのですが、個人のブログであっても読みやすい文章、誤解を与えない文章の方が魅力的ですよね。

この記事では、校閲とはどのような仕事なのか、勘違いしやすい校正との違いについて説明していきます。
自分の意見をWEBで発信したいと思っている方、校閲の仕事に興味を持っている方の参考になればと思います。

校閲の仕事って何をするの?

校閲とは、完成前の原稿に目を通して誤字脱字や表現の誤り、事実との食い違いがないかをチェックする仕事です。

担当者がなんどもチェックした後に、その上司が再度チェックするなどの複数人で校閲するため、書店で購入する書籍は私たちが読む段階では、誤字脱字や誤った表現が修正されているのです。

もちろん、校閲したからといって誤字脱字などを絶対に0にできるわけではありませんが、チェックすることを専門にした人が関わっているかどうかは文章の品質に大きな違いを生むのです。

校閲でチェックする3つのポイント

校閲の主な仕事として、次の3つがあります。

  • 誤字脱字の確認
  • 表現の誤りの確認
  • 事実の確認

少し詳しく、それぞれについて見ていきましょう。

誤字脱字の確認

誤字脱字については、普段の仕事で文章を書く機会があれば意識することがあると思います。

パソコンで文章を作る機会も多いため、誤変換やタイプミスは想像以上に発生しています。

誤字脱字は、文章が読みにくいだけでなく、誤解を生じさせる原因にもなるので注意が必要なのです。

表現の誤りの確認

普段、使用している表現が実は正しくないということもあります。
例えば、「足元をすくわれた」は正しくは「足をすくわれた」です。

このような表現の誤りは、書いた本人が誤解をしていれば何度見直しても見つからないので、より質の高い文章にするにはチェックのプロに見てもらう必要があるのです。

事実の確認

日本語、文法としては正しくても事実と違う点はないかも校閲の過程でチェックをします。

「A社のWEBサイトでは、立ち上げ以来、毎月10記事ずつ公開している。」
このような文章があれば、「毎月10記事ずつ公開している」というのが正しいのかの事実確認をするようなイメージです。

校閲と校正って何が違うの?

「校閲」と似た言葉に「校正」があります。
どちらも出版業界でよく使われる言葉ですが、「校正」の仕事内容は「校閲」とは異なります。

紙の媒体では、校正刷り(ゲラ刷り)と呼ばれる校正用にすった原稿を用意して校正を行います。
校正は、この校正刷りと執筆者の書いた元の原稿に違いがないかを比較する作業のことです。

校正は2つの原稿を照らし合わせて元の文章との違いを見つける作業であり、校閲は1つの原稿の中で誤りを見つける作業ということができます。

WEBメディアにこそ校閲が必要?

WEBメディアを専門に運営している企業でなくても、最近では様々な企業が自社メディアを運営するようなケースが増えています。

しかし、WEBメディアは誰でも簡単に情報を発信できるブログの延長線、様々な記事を寄せ集めたまとめ記事が中心と考えている人も少なくありません。

そのため、大手企業であっても十分な記事の品質の担保ができていない状態でメディアの運営を進めてしまっている点が社会的に問題視されつつあります。

徐々に、「量より質」の方向性に向かってはいますが、WEBメディアを利益の大きいビジネスと思っている場合には低品質の記事を量産してしまう傾向があるのです。

どのようにマネタイズしていくかにもよりますが、広告収入のみを目的にしている場合には、大量の記事数が必要になることも多く、1記事あたりにかけることのできる費用は小さいのです。

そのため、ライターとは別に、プロの校閲をお願いしようと思うと、予算的に苦しいのが現状でしょう。

校閲スキルのあるWEBライターは市場価値が高い?

毎月、ある程度の記事数をアップする場合には、紙媒体のように丁寧な校閲の体制を整えるのは現実的でありません。

そのため、校閲担当者がスピーディに1記事ずつチェックをして、問題があればリテイク指示を出すようなケースもあります。

そこで、校閲が必要のないレベルの文章を書くことができるWEBライターというのは、市場での価値が高いと言えます。

例えば、1原稿に5,000円、校閲にも5,000円かかっているのであれば、校閲の作業を簡略化して、校閲の費用の一部を原稿料にプラスすることも可能になります。

これは、ライターがしっかりと誤字脱字、事実確認を行うことができるという前提ですが、WEBライターの中にはクラウドソーシングを通してWEBライターとなった方も多いため、校閲はスキルの違いを見せることができるポイントになるでしょう。

また、メディアの運営企業がライター側の校閲スキルに関心が全くない場合には注意が必要です。
ライターとは別に、校閲担当者がいるにしても、原稿が納品される段階で品質が高い分には問題がないはずです。

このような場合には、できるだけ安く多くの原稿を買いたいと企業が考えている可能性が高く、ライターへ支払う原稿料を増やすのに良い顔はしないでしょう。

ライター側が稼ぐには、質を上げるのではなく、スピードを上げる必要があるのです。

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