本はアウトプットを意識して読めば10倍頭に入る?速読も可能な読書法とは?

アウトプットリーディングとは何?

アウトプットリーディングとは、本を読む(インプット)段階で、他者に本の内容を説明する(アウトプット)ことを意識することで、スピーディに本の要旨をつかむ読書術のことです。

速読などの読書術に関する書籍は多数出版されていますが、速読が誰にでもできるようになるわけないと疑っている人も多いはずです。
また、実際に速読に関する書籍を購入した経験がある人も多いでしょう。

アウトプットリーディングにもコツやなれは必要ですが、いわゆる速読を実現するようなスキルや鍛錬は入りません。

この記事では、アウトプットリーディングの方法や、メリット、デメリットについてまとめました。

アウトプットリーディングのメリット・デメリット

速読術というと、信じられないスピードでページをめくって、一瞬で本の内容を記憶してしまうようなイメージを持っているかもしれません。
しかし、アウトプットリーディングは従来の速読法とは大きく異なります。

アウトプットリーディングの3つのメリット

まず、アウトプットリーディングには次のようなメリットがあります。

  1. 本の内容をしっかりと頭に入れることができる
  2. 通常の何倍も早く本を読むことができる
  3. 本の内容を実生活に取り入れることができる

アウトプットリーディングは、その名の通り人に伝えることを前提として本の内容を把握していく読み方です。

実は、読んだ本の内容を人に説明しようと思うと上手くいかないケースが多いのです。
それは、人に説明することを前提に読んでおらず、なんとなく最初から最後まで目を通すだけで終わってしまうからです。

アウトプットリーディングなら、最初から本の内容を伝えることを意識して読むので、自ずと頭の中で内容が整理されます。
また、本の要旨を頭に入れることが目的で、全てのページに目を通す必要がないため、通常よりも早く本を読むことができます。

最後まで読み切った充実感だけで頭に内容が入っていない。
そのような経験がある方も多いはずです。

ですが、アウトプットリーディングで本当に重要な部分だけを理解して、自分の知識と一体化することで実生活でも活用しやすくなります。

アウトプットリーディングのデメリット

アウトプットリーディングは従来の速読法と違うので、神業とも思えるような技術の習得は必要ありません。

しかし、実際には本を最初から最後まで読み切るわけではないので、本を読んだと言えるのか疑問が残ります。

文化庁の「平成25年度 国語に関する世論調査」で、月に読む本の数が0冊、もしくは1冊と回答した人はおよそ8割にものぼります。

月に2冊以上本を読む人は、少数派であり、読書量が多いということもできるでしょう。

このようなアンケートに回答する場合に、アウトプットリーディングで読んだ本も入れることはできるのでしょうか?
最初から最後まで読んでいないのであれば、読んだ本の数にカウントするのは適切ではないと思います。

しかし、何冊の本を読んだかではなく、重要なのは本から何を学んで、どう行動するかです。

つまり、アウトプットリーディングは、本を読むことの目的を明確にすることで、ただ読むだけでなく、内容を理解する、行動することまでを視野に入れた読書法と言えます。

アウトプットリーディングの方法・手順

アウトプットリーディングの大まかな手順は以下の通りです。

  1. 本のメインテーマをつかむ
  2. メインテーマに関連しそうな部分にマークをつける
  3. マークした部分を中心に読み込む

メインテーマをつかむことがもっとも重要なので、この作業に多くの時間を割きましょう。
関連する部分にマークをつけるときは、内容を読みながらマークしてしまうと時間がかかってしまいます。

マークするときは、関係ない部分をマークする、重要な部分をマークしないといったリスクは必ずあります。

まずは思い切って、スピーディにマークをしていくようにしましょう。

アウトプットリーディングについて解説している書籍

一瞬で人生が変わる! アウトプット速読法(小田 全宏)

「一瞬で人生が変わる! アウトプット速読法」は、著者である小田さんが実際に速読セミナーに参加した際に感じた違和感などとともに、アウトプットリーディングの方法について詳しく書かれています。

本の中で、「啐啄同時」(そったくどうじ)と言う概念についてふれられています。
「啐」とは、ニワトリのひなが卵の内側から鳴く声、「啄」は親鳥が卵の殻をつつく音のことです。

物事がうまく進むには、内側と外側の両方からの影響が必要ということです。
Weblio辞書では、次のように言葉の説明がなされています。

「禅で,機が熟して悟りを開こうとしている弟子に師がすかさず教示を与えて悟りの境地に導くこと。」

Weblio辞書:啐啄同時

著者は、この言葉を本を読む目的が明確にしておかなければ、書籍に書かれた重要な内容を見つけることができないということを説明するために使用しています。

「○○○○について、知りたい」という「求める心」が先にあるからこそ、それに対する答えが見つかります。

小田全宏 (2013) 「一瞬で人生が変わる! アウトプット速読法」 ソフトバンククリエイティブ P94

この言葉は、読書によって知識を頭に入れるために必要なコツについても教えてくれます。

本の内容を頭に入れるためのポイント

本の内容が頭にしっかりと入るかどうかは、実はこの「啐啄同時」が非常に強く関係しています。

様々なことを書籍から吸収したいと強く思っている人の場合には、自ずと本を読む量も増えますし、積極的に本の内容を実践しようとするでしょう。

ビジネス、プライベートに活かそうと思って本を読んでもなかなか難しいと感じている場合には、実は、何かを学び取ろう、という意識が不十分である可能性があります。

なんとなく勉強したい、なんとなくビジネススキルを向上させたいと言う曖昧な考えでは、本の内容を自らの知識にすることはできません。
本の内容、自分の読みたい気持ち(啐)と本を読まなければいけない状況(啄)が合わさった時に頭にしっかりと入ります。

ビッグデータや仮想通貨など何となくニュースになっている言葉を勉強するために買った本と、仕事で必要にかられて読まなければいけない本とでは、どちらが頭に残るでしょうか?

何となくで買った本は、頭に残るどころか、途中で読むのをやめてしまうケースもあるでしょう。
しかし、仕事で必要な本なら内容を仕事に活かす(本を読む目的が明確)必要があるので、アウトプットを前提として読み進めることができます。

アウトプットリーディングとは読書術であると同時に、いかにして自分にとって必要な本を見つけるかについても示してくれます。

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