マイクロマネジメントとは何?メリット・デメリットを比較すると弊害しかない?

ブラック企業やパワハラなど職場での問題はたくさんありますが、マイクロマネジメントもその1つと言えます。

厄介な事に、マイクロマネジメントに細かい定義がないので、非常につらい思いをして仕事をしているのに上司が気づかない、改善の方向に持っていく事ができないケースが多くあります。

この記事では、マイクロマネジメントとはどのようなものなのか、マイクロマネジメントのメリット、デメリット、マイクロマネジメントへの対策方法について説明していきます。

マイクロマネジメントとは何?その意味とは?

マイクロマネジメントとは、その言葉の通り上司による細かすぎる(マイクロ)管理(マネジメント)の事を指します。

部下の行動に対して必要以上に鑑賞してくる、過干渉タイプの上司の場合にはマイクロマネジメントになっているかもしれません。

一般的には、神経質で仕事に対して厳しい性格の上司がマイクロマネジメントに陥りやすいと言われていますが、部下に対して非常に優しいタイプであっても業務1つ1つの教え方やチェックが丁寧すぎるとマイクロマネジメントとなる可能性があります。

マイクロマネジメントは否定的な意味で使われる事が多い言葉ですが、適切なマネジメントと明確な線引きが難しいこと、マイクロマネジメントの事例が知られていないこともあり、実はマイクロマネジメントになっていることに気づかない上司も多いと言われています。

マイクロマネジメントのデメリット|3つの弊害とは?

マイクロマネジメントと言う言葉が否定的な意味で使われることからもわかる通り、多くのデメリットが指摘されています。

マイクロマネジメントの弊害はケースバイケースですが、一般的には次のようなデメリットがあります。

部下が自分で考える力が養えない

マイクロマネジメントの弊害の1つ目は、上司が過干渉になることで部下は自分で考え行動する力を養うチャンスを失うこととです。

上司がマイクロマネジメントに陥る原因の1つは、部下を信用していないことです。
だから逐一チェックをしたり、報告をさせたりするのです。

本来であれば方向性やゴールを共有して、どのような道順で進むのが良いかは自分で考えたり、つまずいた時点で上司に相談すれば問題ないはずです。

自分で考える機会を奪われてしまうと、今の仕事を言われた通りに進めることはできても、より効率的な方法はないかと考えたり、指示の一歩先まで終わらせたりする力は伸びていかないでしょう。

裁量権がなくモチベーションを維持しにくい

また、細かな指示が多く自分自身で決められる部分が少ないと仕事自体への熱意が低下してモチベーションを維持するのが難しくなります。

決まったマニュアル通りに進める、上司の指示通りに進めるのが得意な人はいても、なんでもかんでも仕事を上司に決められてしまってはやりがいを持つことはできません。

管理職やマネージャーであれば指示を出すのも仕事のうちですが、それと同じくらい部下や社員のモチベーションにも気を配らなければいけません。

モチベーションをあげる1つの方法が、1つの仕事を任せることです。
任せっきりではいけませんが、上司は仕事の期限だけを決め、進め方や細かなスケジュールは部下に一任するべきです。

すると、自分でスケジュールを組み、他のタスクとのバランスを取りながら仕事を進める必要性が出てくるので仕事を自分ごととして捉えることができモチベーションの上昇にもつながるのです。

失敗が部下の責任になりがち

マイクロマネジメントの傾向がある上司は、仕事の失敗を何よりも恐れる傾向があります。
成功したいのではなく、失敗したくないのです。

本来は、部下の失敗は上司の責任なはずですが、失敗が嫌いなマイクロマネジメント上司が責任をとってくれるはずがありません。

失敗を避けるための細かな指示だったはずが、実際に問題が生じたり、ミスがあったりすると部下へ強く当たるものの自分の管理体制への反省はないものです。

強く当たられるだけでなく、間違った管理体制のままプロジェクトが進めば効率が上がらないなどの会社全体へ影響も出てくる可能性があります。

マイクロマネジメントのメリットを挙げるとすれば?

反対にマイクロマネジメントの良い点を挙げるとすれば、部下に考える力がない場合でも一定の水準の成果を出しやすいことでしょう。

上司が細かく見ていく分、やり方があっていれば大きなミスも防げますし、新入社員であってもそこそこの結果を出せます。

そのため、部下の成長を求めていないような職場ではマイクロマネジメントが横行しやすいと言えます。

しかし、部下が成長しないのは上司だけでなく、会社全体にとっても大きなデメリットのはずです。

また、指示があれば誰でもできるような仕事であれば、マニュアルを作り社内ではなく社外の外注スタッフへ依頼する方がコストが小さい可能性もあります。

この点が、マイクロマネジメントには弊害しかないと言われている原因でしょう。

上司がマイクロマネジメントの場合の対応方法

実際に、職場や上司がマイクロマネジメントの傾向がある場合にはどうしたら良いのでしょうか?

マイクロマネジメントと言っても明確な線引きができないため、正しい対応はケースバイケースになってしまいますが、相談できる先輩や、他の部署の同僚を持つの良いでしょう。

しかし、会社全体としてそのような体質がある場合には、長く勤めている人はそれが当たり前と思ってしまうので、社外のメンターがいると公平な立場での意見をもらうことができます。

また、仕事の進め方を上司に合わせることも時には必要です。
ホウレンソウ(報告・連絡・相談)をできるだけ細かく行う、上司の意図を組んで細かい指示の先を行って仕事を終わらせるなどが有効な場合もあります。

マイクロマネジメントの最大のデメリットは上司・部下双方の負担が大きいこと

マイクロマネジメントのメリット、デメリットをいくつかあげてきました。

マイクロマネジメントは部下への負担が強いのは確かですが、上司への負担も大きいと言えます。

ポジションにもよりますが、上司は何をするのか、どのようにするのか、もっとも優先順位が高いのは何かなど、いわゆる上流工程の作業を担うのが一般的です。

その中で、マイクロマネジメントに割ける時間は本来ならばないはずです。

逐一の報告や、細かすぎる指示は上司自身の時間も奪っていることを忘れてはいけません。

上流工程がおろそかになっていると、いくら部下の作業を細かくチェックしたところで、間違った方向性に進んでいたり、優先順位の低い作業を一生懸命進めていたりする危険性があるのです。

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