ワーキングプアの年収の定義はいくら?低所得層から抜け出すための2つの方法

ワーキンプア(働く貧困層)と言われる、仕事を持ってはいるものの収入が少なく人並みの生活が難しい人たちの割合が増加傾向にあると言われています。

ワーキングプアは、ワークライフバランスのような個々人の働き方の問題ではありません。

収入が少ないなら出世を目指したり、転職したりすれば良いと考える方もいるかもしれませんが、ワーキングプアの場合には毎日の残業や休日出勤などのハードワークが当たり前の職場というケースも多いのです。

そのため、そもそもスキルアップや転職の準備をする時間をとることさえも簡単ではないのです。

ワーキングプアの年収の定義はいくら?

ワーキングプアは年収〜万円以下のように、明確に定義されているわけではありません。

正社員、もしくは正社員に準ずるような勤務時間で働いたとしても、ギリギリの生活を余儀なくされている場合にはワーキングプアと言えるでしょう。

日本においては、およその目安としては年収が200万円以下の労働者層と言われています。

ワーキングプアかどうかは家族構成や居住形態にもよる?

年収200万円以下が1つの基準だとしても、実際にワーキングプアと言えるのかは家族構成や居住形態にもよります。

例えば、実家に暮らしており家賃や食費が一切かからないという状況なら年収200万円であっても生活に余裕はあるかもしれません。

しかし、結婚して子どももいるとなると共働きでなければ年収200万円以上であっても、生活には余裕はないでしょう。

そのため、年収300万円、400万円であってもワーキングプアと言える人もいるでしょう。

年収200万円は手取りではもっと少ない

年収200万円ですと、1か月あたりで計算すると月16.6万円程度となります。

この額は年収なので、正社員、アルバイトなどの非正規社員であってもフルタイムに近い時間で勤務をしていれば自動的に所得税や保険料などが天引きされているため口座に振り込まれる手取り額はもっと少なくなります。

また、年収200万円を超えないケースは、ボーナスがもらえない、少ない場合も多いため生活としてはかなり厳しいことが予測されます。

また、サービス残業が常態化している場合もあり、働いても働いても給与に反映されない、というケースもあります。

ワーキングプアと言える労働者層は全体の何%?

では、給与所得者のうちどのくらいの割合がワーキングプアなのでしょうか?

国税庁の民間給与実態統計調査(平成27年分)の給与階級別分布を見ると、100万円以下、もしくは100万円超〜200万円以下の年間給与額である人の割合は23.6%となりおよそ4人に1人がワーキングプアに当たります。

平均給与額は全体ではおよそ420万円ですが、正規雇用者と非正規雇用者との間で開きがあります。

正規雇用者の平均給与はおよそ480万円ですが、一方で非正規雇用者はおよそ170万円です。

給与所得者の年間給与額の平均なので、その中には配偶者との共働きであるなどのケースも多いと考えられますが、やはり非正規雇用の方が収入面で厳しい状況であることがうかがえます。

ワーキングプアの問題は個人だけの問題ではない?

ワーキングプアは年収が低いという個人の問題のように考えられがちですが、実際には社会全体の問題であるケースも多いです。

年収200万円以下の労働者層が増えると、どのような問題が出てくるでしょうか?
まず、ギリギリの生活が続くと将来設計をするのが非常に難しくなります。

例えば、結婚であったり、住宅ローンを組んだりなどのライフプランを組むのは簡単ではないでしょう
また、万が一病気や怪我で働けなくなってしまった場合のリスクは非常に大きなものとなります。

正規社員であれば給与の一部の補償であったり、簡単には解雇されなかったりと言う面もありますが、非正規雇用の時間給のアルバイトの場合には働けないということはそのまま給与を失うことにもつながります。

加えて、解雇も正社員よりもしやすいと言えるでしょう。

任意の保険に入っていれば万が一の場合でも医療費や仕事ができない期間の給与の補償などを受けることができます。

しかし、生活自体がギリギリのワーキングプアの場合には、任意の健康保険には未加入のケースが多いのが現状です。

このような労働者の割合が多いと、未婚率が上がり、結婚、出産ができずに人口が減少傾向になる可能もあります。

また、収入が減ると所得税も減るため国、地方自治体の税収減にもつながりますし、自由に使うことができるお金が少ないと経済成長も鈍化せざるを得ないでしょう。

ワーキングプアは高学歴でも関係ない?高学歴ニート、ワーキングプアの現実

収入が少ないのは、学歴がないのが原因の1つと考えている方もいるでしょう。

しかし、最近では十分な学歴があるにもかかわらず年収が低い高学歴ワーキングプア、高学歴ニートと言われる人も少なくありません。

学歴があれば必ず大企業に就職できるわけでも、大企業に就職すれば解雇されずに定年まで勤務できるわけではないのです。

ワーキングプアから抜け出す現実的な方法|収入は増やせる?

ワーキングプアから抜け出すための方法は、転職して年収の高い職場へいくか、副業などで収入を増やすかの2つが考えられます。

ただ、残業時間が基準を超えてしまうような環境で働いている場合には、自由になる時間がほとんどないケースもあります。

ワーキングプアの副業は現実的ではない?

副業によって収入を増やすことができれば、生活に余裕が出てきます。
しかし、副業は投資のようなハイリスク・ハイリターンか、ブログやクラウドソーシングのようなローリスク・ローリターンかの2択になります。

自由にできるお金が少ない中で投資によって利益を出そうと思うとリスクはより一層大きくなります。

しかし、クラウドソーシングでWEBライターをしたり、ブログなどの広告収入を得たりするには、まとまった時間がないと難しいのが現実です。

ワーキングプアからの転職は可能か?

収入を増やす確実な方法は、今よりも条件が良い企業に転職することです。
そうは言っても簡単には転職できない、と思いますよね。

それに、日本の経済全体が厳しい状況なら転職したからといって必ず給料が上がると考えるのは、間違いだという指摘もごもっともです。

ですが、正社員として、もしくはフルタイムのアルバイトで働いても十分な給与がもらえていないのなら、働く企業を変えるだけで給与がぐっと上がる可能性は高いです。

もちろん、業界や職種によっても相場というのが違うので一概には言えませんが、転職活動をする時間をまとめて取れない場合には転職エージェントなどにWEB相談をして少しずつ準備をすることも可能です。

ワーキングプアの年収基準と収入を増やす方法のまとめ

ワーキングプアの年収の基準は200万円と一般的には言われていますが、正社員、もしくは正社員並みに働いていも貯金が全く増えない、生活費だけで消費してしまうのなら年収200万円以上であってもワーキングプアと言えます。

実家暮らしか、配偶者や子どもはいるか、都市部か地方かなどで毎月の出費が異なるので一概には言えませんが、統計データを見ると4人に1人程度の割合で200万円以下の年間給与で働いている人がいます。

共働きのケースもあるためその4人に1人が必ずワーキングプアとは言えませんが、働いても生活するのがやっと、もしくは難しいケースが少なくないのは確かです。

時間に余裕があるのなら副業に時間を割くことで収入を増やすという選択肢も現実的ですが、時間的な余裕がないなら転職エージェントなどを利用しながらより条件の良い職場へ転職する方が良いでしょう。

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