インセンティブ制度のメリット・デメリットを実例を交じえて解説

インセンティブ制度とは?

最近では、就職や転職をしようと思って給与条件をみるとインセンティブ制であると書かれている求人も少なくありません。

業界や職種によっては馴染みの薄い言葉ですが、インセンティブ制度とは「仕事での成果(販売数、契約数や販売高など)がある基準を超えた場合に、その出来高に応じた追加報酬が支払われる」ような給与体系のことを言います。

実は、私が働いているIT系の会社でもインセンティブが導入されています。

3年近く勤めて感じたインセンティブ制度のメリット・デメリットについて説明します。

インセンティブ制度の3つのメリット

インセンティブ制度のメリットは次の3つです。

  • 成果に応じて給与が増える
  • 工夫する、努力する習慣ができる
  • 評価までがスピーディ

成果に応じて給与が増える

最も大きなメリットは、成果を出した分だけ毎月の給料が増えることです。

会社の業績にもよりますが、長く勤めてもなかなか給与が上がりにくい会社が多い中、インセンティブ制度があれば成果に応じて毎月高額な給与を貰うことも可能なのです。

自身のスキルに自信があるのであれば、ぴったりの給与体系と言えます。

工夫する、努力する習慣ができる

新入社員として入社した時には様々な目標を持っていたとしても、日々の仕事忙殺されていると徐々になぁなぁに仕事を進めてしまうこともあります。

企業がインセンティブ制度を導入する理由の1つは、社員のモチベーションをあげる、維持することです。

成果に応じて追加報酬が出ることで、日々の仕事をただ終わらせるだけでなく、努力、工夫して結果を出そうと考え行動する習慣をつけやすくなります。

評価までがスピーディ

通常の企業では何か仕事で結果を出しても、その評価が形になるまでには長い期間が必要となります。

20代前半なら特に給与面ではどの企業でも大きな差は出にくいですし、実力があっても管理職にすぐになることができるケースはまれです。

ですが、インセンティブ制度なら給与という形で比較的早くにあなたの努力が形になるのです。

インセンティブ制度の3つのデメリット

しかし、インセンティブ制度は良い面だけではありません。
制度そのものが合わないと、気持ちよく仕事ができないケースもあります。

  • 毎月の給与が安定しない
  • 長期的な未達成はモチベーションの低下に
  • 評価までがスピーディ

毎月の給与が安定しない

ボーナスのようにある決まった月に給料の〜ヶ月分という形でもらえるものではないため、毎月の給与の見込みが立てにくいというデメリットがあります。

インセンティブ制度と完全歩合制(フルコミッション)とは違い、インセンティブ制度は(固定給)+(インセンティブ)=(給与)という形になるケースが一般的です。

固定給だけでも十分な額がもらえている場合には問題はありませんが、固定給のみでは生活が難しい場合にはインセンティブがもらえるかどうかが死活問題になりかねません。

そのため、同僚との競争が生まれたり、部下へのあたりが強くなったりと職場の雰囲気が悪くなる危険性もあります。

また、自分一人で抱え込んでしまうとプレッシャーを強く感じてしまうこともあります。

長期的な未達成はモチベーションの低下に

インセンティブは、目標値を達成できない状態が長く続くとモチベーションの低下を招きます。
やる気を維持するための制度が裏目に出てしまうパターンと言えます。

インセンティブ制度は個人間での競争のようにも捉えられますが、実は上司や同僚などとフォローしあうことができる環境の方が個人での成果も上がり企業全体への利益にも繋がるのです。

会社のやめどきがわからなくなる

インセンティブがどのような制度かにもよりますが、今月分の成果が今月の労働分の給与に上乗せされて来月に支払われるとは限りません

少しややこしいですが、4半期ごとに区切り前期の結果が次の期の給料にプラスされるケースもあります。

契約数などがインセンティブ評価の対象である場合には、キャンセルが発生する可能性などがあるため単純に前の月の結果を反映することができないこともあるのです。

そうなると仕事の調子がよくインセンティブが発生していると、キャリアアップのための転職を考えても辞めるタイミングの決断が難しくなります。

給料だけが働く目的ではないと思いながらも、人間なら誰しも結果を出したのだからその分は損をしたくないと思うのが普通ですよね。

インセンティブ制度が多い業界や職種

全ての仕事にインセンティブ制度が導入できるわけではありません。

仕事内容によって、インセンティブと合う合わないというものがあります。

インセンティブ制度と合う仕事は、仕事のゴールが数字として図ることができるようなものです。

例えば、営業(契約数)、ショップスタッフ(販売額)、清掃員(担当室数)などです。

特に、転職サイトなどでインセンティブ制度のある仕事を探すとその多くが営業職です。

自動車の販売、保険の契約、WEBサービスの提案などの営業職であれば様々な業界でインセンティブ制度の導入が行われています。

インセンティブ制度はデメリットよりもメリットが大きい?

インセンティブ制度には、いくつかのデメリットもありますが、メリットの方が大きいと思います。
ただし、固定給だけでも生活可能な水準であることが前提です。

結果に応じて大きな見返りをもらえるのは魅力的ですが、結果が出せないと仕事の継続自体が困難なようではいけません。

インセンティブ制度が導入されていても結果を出すことができないと、モチベーションの低下、就業意欲の減退につながります。

結果を出せない自分が悪いと思って、イライラする、必要以上に落ち込む、プレッシャーを感じるようになると負のスパイラルに入り込んでいる状態です。

インセンティブ制度自体が合わないという性格の場合もあるので、給与面だけにとらわれずにキャリア全体を考えてどのような仕事をしたいのか、どのような企業で働きたいのかを決断することが重要です。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする