ジョブホッパーとは?その意味を解説
ジョブホッパー(job-hopper)とは、短い期間で転職を繰り返しているような人のことをいい、主に仕事が長続きしないという悪い意味で使われること良くあります。
しかし、一見ジョブホッパーのように見える場合であっても、しっかりとキャリアを考えた上で職場を変えている場合にはむしろ転職市場での価値が高くなります。
ジョブホッパーは転職の回数や期間に細かい定義はないのですが、自分のキャリアプランに基づいてより良い条件の職場へ転職してスキルも磨いていくような人材はキャリアビルダーと呼ぶこともあります。
この記事では、どのようなジョブホッパーは転職で有利なのか、どのような場合には評価されないジョブホッパーとなってしまうのかを説明していきます。
目次
この記事でのジョブホッパーの定義
一口にジョブホッパーと言っても、ただ単に仕事が続かずに転職をしていると人と戦略的に職場を転々としている人とでは全く状況が違います。
そのため、この記事では転職までの期間と、これまでの転職回数で定義しようと思います。
この記事では「転職までの期間が3年以内で、これまでに3回以上転職しており、これからも同じように転職していく人」とします。
ジョブホッパーが転職で不利になる理由
採用する側としては、短期間に何度も転職していると言うだけでマイナスの評価を下すこともあります。
実際に転職理由を聞くと納得がいく場合でも、履歴書の段階では細かいところまでは見ずに、幾つかの条件で数を絞ることもあります。
その条件が、離職までの期間や転職回数の場合には、なぜ転職回数が多いのかなどの理由を知ることなく書類選考で落ちてしまう可能性もあります。
採用する企業側の目線でみるとジョブホッパーには3つのデメリットがあります。
仕事をすぐに辞めてしまうのではないか?
最も大きなデメリットは、「ジョブホッパーはまたすぐに仕事を辞めてしまうだろう」と決めつけられてしまうことです。
ジョブホッパーは、説明した通り書類選考の段階で警戒されてしまうこともあります。
なぜ転職が多いのか、キャリア形成で必要不可欠な転職だったのかを履歴書でカバーする必要があります。
単純な仕事しか経験していないのではないか?
また、どんな職場でも転職してすぐは勝手がわからなかったり、周りとのコミュニケーションが上手くいかなかったりしてすぐに結果を残すことは難しいですよね。
新しい環境に慣れるのにも半年、1年かかることもありますし、成果を出していくには少なくても2〜3年は必要です。
さらに、より重要な業務を任せられるまでには3年以上必要になるでしょう。
短期間で転職をしている場合には、基本的な仕事だけで責任の重い役職や業務をになった経験がないのでは、と思われるケースも少なくありません。
もし転職を考えている時に、今の職場で結果を出せていない、十分にやりきったと主張できるものがないという場合には転職するタイミングではないのかもしれません。
採用する側が評価できるような部分があるのかを転職をするときには一度整理してみると良いでしょう。
ジョブホッパーは保険などの手続きも面倒?
採用側の目線ではありませんが、短いスパンで転職をするのは保険や年金、様々な職場の情報を変更しなければいけずに面倒な部分もあります。
1つの職場に定年まで勤めるケースは少なくなってはいますが、無駄に転職回数が多くなるのは手続きの面からもおすすめできません。
また、企業年金などは勤続年数が長くなるとその分もらえる額も多くなるようなシステムの場合が多いです。
そのため、1つ1つの企業での勤続年数が短いと老後にもらえる年金も減ってしまうリスクがあります。
転職で給料が上がると生涯年収も上がると思いがちですが、年金のことも含めて総合的に考える必要があります。
転職で不利になるジョブホッパーの特徴
転職で不利になりやすいジョブホッパーの特徴をまとめると次の2つです。
- 転職理由が不明確
- 転職までの期間が1年未満
ジョブホッパーがマイナス評価になるのは、企業にとっては納得いかない理由での転職です。
転職理由で多いものの1つが人間関係ですが、人間関係は転職したからといって上手くいくとは限らないものです。
一番避けたいのは、転職する理由がよく分からないような場合です。
面接官に伝わらない場合には、自分でもなぜ転職するのかが不明確なことが多いです。
また、同様に転職までのスパンが極端に短いようなケースです。
1年、2年での転職の場合には、より細かく転職理由がチェックされると考えましょう。
転職を有利に進めるジョブホッパーの特徴
反対に、転職市場での価値が高くなるようなジョブホッパーはどのような人材なのでしょうか?
特徴の1つ目は、キャリアプランにそって能動的に動くことができているかです。
転職は、なぜ転職するのかの理由が大切であることは説明しました。
キャリアに軸があり、しっかりとしたプランにそっての転職であれば自然と明確な転職理由ができるため他者からの共感が得られやすいのです。
2つ目は、どの職場でも成果を残しているかです。
全ての職場で驚くような成果を残している必要はありません。
それぞれの職場で、どのように考え行動をした結果、どのように企業へ貢献したのかが明確に説明できるかが重要です。
結果を残していない状態での転職は、仕事への不満からの転職ではないかと思われる可能性があります。
逆に、転職のたびに成果を出している人なら、様々な環境で上手く振る舞うことができる人材であると評価されます。
3つ目は、自分の強みを理解して企業へ最大限の利益を出せるかです。
就職では専門性よりも、様々なことをそつなくこなす能力が評価されることもありますが、飛び抜けて得意なことがあるなら転職では強みになります。
例えば、新規事業の立ち上げが得意なら、その業務に携わることができる企業、ポジションで働くのが良いでしょう。
しかし、新規事業を立ち上げることは毎年あるようなことではありません。
だからこそ、今その仕事に関係できる職場へと転職するのです。
このような、自分の強みを理解しての転職なら、自分の価値を最大限評価してもらうことが可能です。