AIDMAとAISASの違いを実例で説明|今更聞けないマーケティング用語

実店舗でもWEBでも、売りたい気持ちが先行しすぎるとユーザーは購入から遠ざかってしまうことがあります。

そんな時に覚えておきたいのが「AIDMA」と「AISAS」というマーケティングモデルです。
どちらも似ている部分があるのですが、2つの言葉の違いはわかりますか?

この記事では、AIDMAとAISASの言葉の違いを実例を交えながら説明していきます。

AIDMAとAISASの違いとは何?

AIDMAもAISASも消費者の行動をモデリングしたものです。

ただし、その2つは言葉ができた年代に大きな差があります。
まず、AIDMAは1900年代の前半に登場した言葉で、4大マスメディアであるテレビ、ラジオ、新聞、雑誌が世界中に普及したことによって生まれた消費者の行動モデルです。

しかし、インターネットの普及に伴って徐々に消費者の行動が変化していきました。
その変化に合わせてAIDMAのモデルを変化させたものがAISASです。

AIDMAとは何?

AIDMAは、1920年にサミュエル・ローランド・ホールという人物が「Retail Advertising and Selling」という著書の中で発表した消費者の行動モデルです。

日本でがAIDMAの法則として知られていますが、アメリカでは同じように消費者行動のモデルであるAIDAが一般的に知られています。

AIDMAは、消費者の商品の認知から購入までの5段階の頭文字を取ったものです。

  • Attention(注意)
  • Interest(興味)
  • Desire(欲求)
  • Memory(記憶)
  • Action(行動)

この5つは認知段階(A)、感情段階(I・D・M)、行動段階(A)の3つのフェーズに分けて考えることができます。

認知段階:Attention(注意)

注意とは、消費者に商品、サービスを初めて知ってもらう段階です。
まずは多くの人に知ってもらうことが消費者行動の第一段階であり、マスメディアによるだいたい的な広告が多くの消費者への認知を促してきました。

感情段階:Interest(興味)・Desire(欲求)・Memory(記憶)

感情段階とは、商品・サービスを知っているだけの段階から、それらを購入したい、利用したいという段階までの成熟過程と言えます。

認知段階の後に、商品に対する興味を持たせ、商品が欲しいという感情が生まれ、記憶にしっかりと残っていることで、次の行動の段階に進むことができるのです。

感情段階は、簡単にいえば商品・サービスに対する「好き・嫌い」、「使ってみたい・使いたくない」などの感情が生まれる段階と言えます。

行動段階:Action(行動)

最後が、購入や使用を行う行動段階です。
AIDMAの消費者行動モデルでは、この行動というのが消費者行動の最終地点ということになります。

AIDMA理論のメリット・デメリット

AIDMA理論で消費者の行動をモデル化することのメリットは、ユーザーがどの段階にいるのかで有効な施策を考えることができるということです。

ユーザーが、認知段階、感情段階、行動段階のうちどのあたりにいるのかがわかれば、適切な施策を行うことで次の段階に導くことができるのです。

一方で、デメリットはインターネットの普及によって消費者行動のそのものが変化して、従来のAIDMAの行動モデルとは合わなくなっている点です。

ただし、AISASをただしく理解するためにはAIDMAを知っておくことは重要になります。

AISASとは何?

AISASは、インターネットの普及による消費者の行動の変化に合わせて AIDMA理論を変化させたものです。

AISASもAIDMAと同じく、消費者行動の5段階の頭文字を取ったものです。

  • Attention(注意)
  • Interest(興味)
  • Search(検索)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

従来のモデルと、最初の2つであるAttention(注意)、Interest(興味)は変わりませんが、Desire(欲求)とMemory(記憶)がなくなり、Action(行動)の位置も変わっています。

Search(検索)

インターネットが普及したことによって、ユーザーはマスメディアの宣伝・広告内容を鵜呑みにすることがなくなりました。

ユーザーが商品を認知して興味を持った段階で、一度インターネットなどで情報を検索するようになったのです。

もちろん、検索の対象は公式サイトのみだけではなく、ユーザーレビューや比較サイトなども含まれます。

この検索でユーザーが納得した場合に、次の行動の段階に進むのだと考えられます。

Share(共有)

さらに大きく変わった点が、ユーザーの消費行動の最終地点が行動から共有に変化した点です。

パソコンやスマホを通じて、ユーザーは簡単に口コミなどを他人と共有することができます。
インターネットモールなどであればサービス内で口コミを投稿することもありますし、サービス外のSNSや個人ブログなどで共有されるケースも少なくありません。

AISASのメリット・デメリット

AISASもAIDMAと同じように、消費者の行動を段階に分けて考えることで段階ごとの施策の立案につながります。

さらにAIDMAと大きく違う点は、AISASはShare(共有)からAttention(認知)が生まれるケースがあるということです。

従来のAIDMAで考えると購入にいたるユーザーを増やすには、最初の認知段階の消費者を増やす必要がありました。
ただし、マスメディアを利用した認知は非常にコストがかかる上に、広告による成果を数値で判断しにくいというデメリットもあります。

しかし、AISASでは口コミが広がることでさらなる認知を生むことが可能なので、マスメディアを利用しない低コストのバイラルによる広告モデルを作ることもできるのです。

ただ、ユーザーの消費行動はスピーディに変化していくので、AISASが常に最先端の行動モデルではない点には注意が必要です。

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