こたつライターの限界|月給を増やしたければこたつを捨てよ?

「こたつライター」って聞いたことがありますか?

クラウドソーシングが普及して、未経験でも執筆の仕事を受けることができるようなりました。
しかし、取材などをしないこたつの上だけで完結したような記事がネット上に増えたことで、「こたつライター」という言葉が批判を込めて使われるようになりました。

こたつで記事を書いて報酬がもらえるなら、すごく楽なような感じがしますね。

ここで、注意が必要なのは「こたつライター」はライター自身にとっても、企業にとってもデメリットが多いということです。

特に、ライターについて言えば、こたつライターである限り月給には限界があります。

こたつライターとは何?

「こたつライター」に定義はありませんが、この記事では次のようなライターを「こたつライター」とします。

  • 主な情報源がネットである
  • ネットの情報の裏取りをしない
  • 専門分野を持っていない

こたつライターの3つの特徴

こたつライターの一番の特徴は、記事を書くための情報源の信憑性への意識です。

紙媒体のライターであれば、文字数の制限、校正、校閲、企画そのもののチェック、ライター名の記載など、良い意味で様々な記事への圧力がかかります。

一方で、webライターの場合には、最低文字数はあっても長すぎてNGということは少なく、校正、校閲なども省略、簡略されてしまうケースがあります。
また、ライターの名前を出さない、掲載メディアを知らずに記事を書いているということもあるため、ライターとしては記事への愛着が薄いという面もあります。

そうなると、できるだけ早くリテイクのない記事を納品することが目標となってしまい、面倒な取材や情報の裏取りがおろそかになってしまうのです。

記事を書くときに参考にした情報がネットの2次情報であり、事実の裏取りをしていない場合には「こたつライター」になってしまっている可能性が高いと言えます。

ただ、取材をしないで書いた記事が必ずしも低品質かというとそうとは限りません。
例えば、ライター自身の知識が一次情報といえるような場合には、品質の高い良い記事になる可能性はあります。

もし、自分の知識や経験がないジャンルの案件も受けている場合には、スピードと品質を天秤にかけ「こたつライター」になる可能性があるかもしれません。

こたつライターはメディアの責任?

「こたつライター」と呼ばれるような執筆者が増えてしまった原因の1つは、メディアの運営企業側にもあると言えます。

つまり「こたつライター」がもともといたのではなく、「こたつ記事」を求める企業が増えた結果ということです。

クラウドソーシングのメリットの1つは、案件が多い分、未経験でも応募可能な記事の執筆案件も多くあることです。

初めて記事を書くのであれば、マニュアルや細かいフィードバックが本来なら必要なのですが、品質よりもスピードを優先する企業が増えればライター側もその環境に適応して育っていくのです。

こたつライターの月給に限界がある理由

こたつ記事を書いている限り、ライターとしての報酬を増やすことに限界があります。
その理由は、次の3つです。

  • 誰にでも書ける記事にお金はかけない
  • スピード勝負では品質が落ちる
  • こたつ記事を求めるメディアはお金をかけない

誰にでも書ける記事にお金はかけない

ライターとしての仕事に慣れてくると記事の単価をあげたいと思い、クライアントと単価交渉した経験がある人もいるのではないでしょうか?

支払う報酬に明確な基準を設けているクライアントもいれば、上司の許可があれば一定までは単価をあげることができるというクライアントもいます。

ただ、単価をあげて欲しいライターは全員なので、「単価をあげてください」と言ってきても簡単にOKすることはありません。
単価を上げても良いライターを思われることが重要なのですが、その基準はクライアントによって異なります。

例えば、リテイクが少ないので納品後の手間が少ない場合、1か月でまとまった記事数の執筆が可能な場合、専門的な内容で書ける人が少ない場合などは単価の交渉余地があると思います。

つまり、「クライアントにとって代わりがいない(少ない)ライター」であることがポイントになります。

一方でこたつライターは、代わりがたくさんいるため一人辞めたとしても大きな痛手にはなりにくいのです。

スピード勝負では品質が落ちる

単価の交渉がうまくいかないと、ライターとしては数をこなす必要が出てきます。
大雑把に、ライターとしての報酬を計算すると
記事単価 × 記事本数 =報酬
となるので、時間をかけずに記事を完成されることで報酬を増やそうと考えます。

すると、1記事の品質は落ちるので単価のアップからはさらに遠ざかるという悪循環になります。

報酬をあげるためにスピードアップをはかるのは間違いではありません。
しかし、1日は24時間よりも増えませんし、1日の中でも仕事に使える時間は限られているはずです。

単価が上がらなければ、この先も同じ作業を繰り返さなければ安定して報酬を得れないということになります。

こたつ記事を求めるメディアはお金をかけない

クライアントによっては、リテイクが少ないということもあります。
もし、発注している企業側がこたつ記事でもOKと考えているのであれば、ライターとしても警戒すべきです。

こたつ記事を求める企業は、そこそこの品質の記事を多く、安く買いたいと考えています。

そのため、いくら一生懸命記事を書いても、予算を超えるような報酬の設定はできないケースがあります。

もちろん、一生懸命書けば良い記事ができるわけではありませんが、クライアントが記事の本数を評価するのか、品質を評価するのかを見極めることは重要なのです。

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