収入と所得の違いとは?年収を聞かれたらどっちを書けば良い?

所得と収入の違いわかりますか?

正確に区別しなくても良い場合もありますが、確定申告などの税金が関わる場面ではしっかりと違いを把握しておかないと再度の申告や税金を追加で収める、余計に払った分を返還してもらうなどの二度手間になることもあります。

特に、フリーランスや個人事業主の方で、初めて自分で確定申告書類の作成をする場合や、副業などの収入を得て確定申告をしなければいけなくなった会社員の方はしっかりと2つの言葉の違いを把握しなければいけません。

収入と所得の違いとは?サラリーマンとフリーランスでは違う?

収入や所得の考え方自体は、アルバイトや正社員、フリーランスなどの雇用形態とは関係なく同じなのですが、得ている所得の種類によって税金の計算が変わってきます

例えば、アルバイトも正社員でも給与をもらって仕事をしているので、給与所得者になります。

基本的には会社側で給与から所得税などを差し引いているので、給与所得者の場合には自分で所得税を計算して納付すると言う手間がありません。

一方で、フリーランスや個人事業主の場合には、事業所得者となるので得た利益から、事業で必要になった金額を必要経費として自分で引いて税務署に申告しなくてはいけません。

それでは、もう少し収入と所得の違いについて見ていきましょう。

収入とは何?

はじめに収入について詳しく見ていきましょう。
サラリーマンの場合には、毎月の給与と年2回程度の賞与を足した1年間の金額が収入となります。

もう少し正確に知るには、年1回渡される源泉徴収票の「支払い金額」の欄に数字を見ると良いでしょう。

一般的には、この収入のことを年収というケースが多いです。

収入=手取りではない

この収入の金額から、所得税などが引かれた上で口座へ振り込まれたり、場合によっては手渡しされたりします。

そのため、手取り(手取り収入)と言った場合には、実際に口座などへ振り込まれた自由に使うことができる金額を指します。

個人事業主の場合の収入の考え方

サラリーマンの場合には、収入を聞けばだいたいどのくらいの金額を稼いでいるのかが分かりますが、個人事業主の場合には、収入が多いほうが事業が成功しているとは一概にいうことができません。

個人事業主の収入とは、1年間で事業によって受け取った金額のことを指します。

例えば、フリーランスのWEBライターが1記事一万円の記事を毎月30本書き続けたとすると、年間では執筆によって360万円を受け取ることになります。

フリーランスや自営業など呼び方は様々ですが、事業所得となるような仕事の場合には、この金額が収入と言えます。

事業規模とも言えますが、収入が大きさがそのまま稼ぎになるわけではありません。
なぜそうなるかは、「所得」とは何かを知れば分かります。

所得とは何?

所得とは、収入から必要経費などを差し引いた額になります。

サラリーマンの場合には、個人事業主と違い経費として計上することはないものの、給与所得控除という形で一定額が課税対象から引かれます。

サラリーマンであっても、仕事をする上で必要に迫られて購入する必要があったと言えるものがあります。
例えば、毎日切るスーツや筆記用具などです。

その1つ1つの金額を経費として申告する代わりに、一定額をあらかじめ差し引くというのが給与所得控除です。

つまり、サラリーマンの所得は、(収入)ー(給与所得控除)=(給与所得)となります。

そこから、生命保険控除や扶養控除などの所得控除に該当する場合には(給与所得)ー(所得控除)=(課税所得)となります。

扶養控除や生命保険控除は該当しない人も多いですが、給与所得控除は給与所得者なら全員に該当します。
ただし、その額は収入の額によって異なるので注意が必要です。

個人事業主の場合の所得の考え方

個人事業主の場合には、収入の大きさがそのまま稼ぎの大きさにはならないのは、その事業で発生した経費も考慮しなければいけないからです。

例えば、収入(年商)が2,000万円の場合でも経費で1,500万円かかっているのなら、実際は500万円が稼ぎになります。
個人事業主の場合には、収入から必要経費を差し引いた額が所得になるのです。

どのようなものが必要経費とされるかは、ケースバイケースと言えます。
その明確な線引きはされていないこともあり、どのような事業を行っているのかにもよりますが、最終的には税務署が認めるか、認めないかによる部分が大きくなります。

例えば、株などの取引を事業とするなら株式を保有することで貰える配当や売却した場合の金額が売り上げになります。
一方で、株式を購入するために支払った金額は必要経費と言えるでしょう。

しかし、接待などの交際費や、プライベートな利用が全くないとは言えないようなパソコンなどは経費とならないケースも0ではありません。

領収書をとっておくことはもちろん、どのような目的で利用しているのかを分かりやすく伝える必要があるでしょう。

また、このあたりは確定申告の方法(青色、白色など)によっても違うため注意が必要です。

学生アルバイト、パートで知っておきたい103万円の壁とは?

学生がアルバイトをする時や、配偶者の収入をメインとしながらもアルバイトやパートで給料をもらう場合には年間の収入を103万円以内に収めましょう、と言われることがよくあります。

この理由は、103万円以内であれば所得税を支払う必要がなく、扶養控除の対象からも外れないためです。

アルバイトやパート以外に収入がない場合には、給与控除(65万円)と基礎控除(38万円)が収入から引かれるため、課税対象の所得は0円となります。

つまり、年間の収入が103万円以内なら稼ぎはあるのに所得税を払う必要がないのです。

仮に103万円を少し超えてしまっても払わなければいけない所得税は少額です。
ですが、所得がある場合には配偶者や親御さんの扶養者控除がなくなってしまいます。

扶養者控除は、所得の大きい場合の方が控除される額が大きいため、103万円以上を稼ぐことができても、家計全体でみると103万円以内に収入を抑えたほうが得なケースが多いのです。

収入と所得の違いのまとめ

サラリーマンでも個人事業主でも、収入と所得の基本的な考え方に違いはありません。

サラリーマンの場合には、必要経費を申告して収入から差し引くことができませんが、給与所得控除という形で一定額が控除されます。

また、年末調整なども会社側が行ってくれるため、基本的には自分で所得や所得税の計算、税金の納付をする必要がないというメリットがあります。

一方で個人事業主の場合には、収入から必要経費を引いた金額が所得になり、経費が大きい場合には収入と所得に大きな開きが出る可能性もあります。

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