リファラル採用とは何?縁故採用との違いとメリット・デメリット

転職するには、転職サイト経由、縁故採用、企業の公式サイトからの直接の応募など様々な方法があります。

最近では、リファラル採用という新しい用語が出てきています。

この記事では、リファラル採用とはどのようなものか、どのような企業が導入しているのか、メリット・デメリットについて説明していきます。

リファラル採用とは何?

リファラル採用のリファラルとは、「口コミ」、「紹介」、「推薦」を意味する言葉です。

英語では「referral」(リファラル、もしくはリファーラル)と書き、求職者の紹介、推薦の意味のほかに、委託などの意味もあります。

つまり、リファラル採用とは、企業ですでに働いている社員からの紹介による採用のことを言います。

リファラル採用と縁故採用との違いとは?

リファラル採用と似たものに縁故採用があります。

縁故採用とは、企業との何かしらのつながりがある人物を採用することです。
リファラル採用も、社員の紹介である点を踏まえると何かしらのつながりを持っているため縁故採用の1つということができます。

Wikipediaでは、縁故採用の例として、次の5種類が挙げられています。

  1. 地元有力者(政治家、事業家、地主など)の紹介がある
  2. 既に親戚・親兄弟などの親族が勤務・経営している場合
  3. 同郷出身者、同じ学校の卒業など
  4. 業界有力者や同じタレント事務所の紹介など
  5. 学者枠-企業・業界とつながりの深い学者(大学教授など)の紹介や、その学者のゼミ生

企業に影響力を持っているからの人物の縁故であることも多く、その場合には企業の採用・不採用の判断にも影響を持ってしまうというデメリットがあります。
縁故とは、いわゆるコネのことなので、この言葉にあまり良い印象を持っていない人も多いでしょう。

リファラル採用のメリット

縁故採用、コネによる入社は、選考での公平性にかけるため、企業の求める人材でなくても採用せざるをえないケースもあります。
特に、縁故者が影響力のある人物である場合にはその傾向が強くなります。

しかし、リファラル採用では力のある縁故者からの紹介とは限らないため、企業の裁量による選考を進めやすいと言う点が異なります。

また、縁故採用では縁故者、リファラル採用では推薦者がいるため、求職者が就業したのちにすぐには仕事を辞めにくいというメリットがあります。

転職者の早期離職は企業にとっての大きな懸念であるため、何かしらのつながりを持っているということが離職の歯止めとなるのです。

加えて、リファラル採用なら、推薦者は企業の内情と求職者の人となりやスキルの両方を知っているため、転職後のギャップが小さい点もメリットと言えます。

リファラル採用は求人費用を抑えることができる

企業が求人を出す場合には、それなりの費用がかかります。
広告費用に加えて、採用活用自体も人件費がかかるため、企業にとっては骨が折れます。

リファラル採用は、転職サイトなどに求人広告を出す必要がないので、求人にかける費用を抑えることができる点もメリットと言えます。

リファラル採用のデメリット

一方で、リファラル採用にはデメリットもあります。

通常の転職であれば、求職者が自分のしたいこと、できることと、企業がしてほしいことを考慮した上での応募となります。

リファラル採用の場合には、企業の欲っする人材であっても、声をかけられた方が積極的に望んだわけではないため、したいこととして欲しいことの間にギャップがある可能性があります。

また、リファラル採用はスカウトにも似ているため、推薦があったのだから必ず選考に通ると勘違いされるケースもあります。

推薦があったにも関わらず、不採用となった場合には推薦者と応募者の人間関係に悪影響がでることもあります。

メリットと裏表でありますが、企業によってはリファラル採用の推薦者にボーナスが出ることもあります。
紹介ボーナスによって、リファラル採用の紹介数を増やすことができる一方で、場合によってはミスマッチな人材の紹介数を増やして、結果的に選考コストが増えることもあります。

リファラル採用の導入には、慎重な制度設計が必要になります。

リファラル採用を導入している企業

リファラル採用は、主に海外で積極的に導入されていますが、日本の企業においても導入事例があります。

例えば、次のような企業ではリファラル採用が導入されています。

  • LIG
  • メルカリ
  • エウレカ

日本における転職方法の割合

転職方法には、縁故や転職サイトの利用の他に、企業への直接応募、ハローワークなどがあります。

必ず、その中の1つの方法のみで転職活動をするわけではないこともあり、実際に転職した人が何経由で転職したのかは正確には把握できません。

DODAの実施した、「ビジネスパーソン2,000人の転職意識調査」によると、およそ13.8%の人が「友人や知り合いの紹介」で転職活動をしようと思っているそうです。

リファラル採用と縁故採用の違いのまとめ

リファラル採用とは、社員の知り合いからの推薦による採用のことです。

企業との何かしらのつながりを持つ人を採用する縁故採用の1種とも言えるでしょう。

ただし、縁故者による採用へのプレッシャーが比較的少ないため、企業の裁量で採用を行いやすい点に違いがあります。

転職サイトを通さないため費用を抑えることができ、企業についても、応募者についても知っている推薦者からの紹介であるため人材のミスマッチを防ぎ、転職後の早期離職の可能性も小さくすることができます。

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